2010年10月29日金曜日

自然科学分野に関わる気になった話題

既にご存知の方が多いかと思いますが2010年版世界の大学ランキングが発表されましたね。

大学総合ランキング


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/results


Arts and Humanities


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/subject-rankings/arts-humanities


Life Sciences and Medicine


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/subject-rankings/life-science-biomedicine


Natural Sciences


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/subject-rankings/natural-sciences


Social Sciences & Management


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/subject-rankings/social-science


Engineering and Technology


http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010/subject-rankings/technology


順番は多少入れ替わってはいますが、常に見かける大学名ばかりのようですよね。

まだまだ英国と米国の大学名が相対的には多いのですが、やはりアジア圏の大学名が入ってきているのがわかります。


アジア圏のみをベースにしたランキングになると

http://www.topuniversities.com/university-rankings/asian-university-rankings/overall

ここ数年英国的教育の影響を受け継いできた香港が日本の大学とどんぐりの背比べをしていたのですが昨年は4位だった東大も5位になってしまった様子。

香港、シンガポール、ソウル・・・

単純に考えればそのいずれの地域も海外留学も多く、かつ高学歴になればなるほど英語力がある人々が多くなっているのがあきらか。

やはりここは英語力は「武器」ではなく、研究者である限り「デフォルトの能力」としてもつ必要性があるのは一目瞭然なのかもしれない。


で、また気まぐれ更新する日まで・・・

2010年10月27日水曜日

案外知らない人が多い査読者推薦

案外知らない人が多い査読者推薦。

実はジャーナルの中には、査読者を推薦できる制度があることをご存知でしょうか?

特殊分野ごとに査読者=専門分野に精通した研究者を推薦することも可能

逆に過去にトラブルが続いてしまった査読者による査読を避けてもらうことも100%夢ではなくなるわけです。

もちろん、全ジャーナルが推薦を100%許可しているわけではないのですが、査読者推薦を認めているジャーナルなのであれば、「是非この研究者の意見を聞きたい!」と思う方を推薦することも可能。

ただ、時と場合によっては掲載につなげるための手法として身内であったり、恩師であったりを推薦すると厄介なことになりうる可能性もあるので人選には注意が必要です。

また査読者として推薦した方に失礼が無いように推薦と同時に、以下のような簡単な報告をしておくことでトラブルを避けることが可能です。



Name of the individual you are writing to.
The address

Dear Dr. Xxxxxxx,

I hope all is well with you.

We will have just submitted a manuscript on xxxxxxxx entitled “Xxxxxx ….. ” for consideration in (the name of the journal). 

In proceeding with the submission, we have recommended you as the preferred reviewer in going over this topic. We apologize for this letter being the after notice of this recommendation request.

We understand that you are awfully busy with your own regular duties, however as we believe that our paper is a definitive report containing findings that are significant and timely for the xxxxxxx study, we hope you would spare us your precious time in going over the manuscript.

Thank you in advance for your consideration.

With respect,

2010年10月22日金曜日

投稿経験が豊富な校閲者からの助言 1

誰もが今まさに自分が書こうとしている論文の内容は発表する価値があると信じて準備をしているものですよね?


しかし、雑誌に掲載するための条件はそろっているのだろうか?


と思われたこと、ありませんか?


論文を書き始める前に大切なステップをとることで第三者の目に映る論文の第一印象が大きく変わることをご存知でしょうか?


今回は論文を長年書き続け、査読をしてきている翻訳者・校閲者等が用いている論文作成の第一歩、基盤作り方法ご紹介したいと思います。

投稿経験が豊富な校閲者からの助言 2

Is my manuscript suitable for publication?

-Magic of “a one-page synopsis”-

ここで紹介する手法はほとんどのWriting Seminarにて紹介をされているかと思います。

ついつい「今更そんなことをしなくても」と思い込みがちなのですが、実際やってみるといかに自分の論文の方向性がまとまっていないかという基礎的な壁にぶち当たる方が多いことがわかりました。


では一体、何をするのか?

投稿経験が豊富な校閲者からの助言 3

ステップ

まず最初にテーマ性のある仮タイトルを考えてみましょう。

サンプル(投稿経験が豊富な校閲者からの助言6を参照)のような表を作成、項目を埋めていきましょう。

テーマに準じ最も主張したい事項を1~3点まで挙げ、それ等を1~2文にまとめてみよう。3点以上ある場合、論文の方向性がずれ始める原因になりかねないので別の論文にするかテーマ自体を再検討する必要性があるかもしれません。(ここで出来上がった文章は後々、抄録を書く際、大きな役回りを果たします。)


投稿経験が豊富な校閲者からの助言 4

2.ステップ1で挙げた主張ポイントに対し、方法の詳細は抜きとし具体的な情報すなわち数字や結果等)をまとめてみましょう。


3.ステップ2で挙げた具体的な情報を得るために用いた方法は一般的に知られているものなのか、何を比較対照したのか、統計的な処理で意義のある内容とみなされたのか?



  方法そして解析について見直してみましょう。



投稿経験が豊富な校閲者からの助言 5

4.  まとめを数行で書き上げてみましょう。

5.投稿を考えているジャーナルの基本情報をメモしておきましょう。
    
  例:投稿規程で求められているパーツ、ワード数制限等



最後に、同僚もしくは分野の最も近いと思われる第三者に書き上げたSynopsisを見てもらおう。



客観的な目が入ることで論文の主張ポイント、内容の意義性、信憑性、主張の方向性・まとまりがうまく第三者に伝わっているかを確認できます。



投稿経験が豊富な校閲者からの助言 6

One-page Synopsis of the Manuscript



Claim/s

Findings that support the claim/s

Conclusion

Any future prospects or visions

Any specific instructions
(e.g. word count limit)






投稿経験が豊富な校閲者からの助言 7

第三者からの意見を元に自分が描いたSynopsisを用いて論文のたたき台を作成してみる。



たたき台が出来上がった時点で、できれば同じ人に流し読みを頼みましょう。


一度相談した事項がどのようなものになったのかを報告するにもとてもよい手法と考えられています。


限られた情報をもとに論文だけをみることができる第三者は査読者に最も近い読者であり、彼等から発せられる指摘は査読者同様の重みがあると考えましょう。


新たに得た指摘を元に論文をしあげ、必要に応じて校閲会社に校閲を依頼


確かにそれでなくとも時間が無い中、このようなことに時間を費やしたくないと思われるかもしれません。

しかし、時間が無いときこそ、基礎的なことをしっかりと抑えることで、無駄な時間を費やす必要がなくなると同時に、読者を意識した論文作りが可能になります。

騙されたと思って、ぜひ一度お試しいただければと思います。