2011年9月15日木曜日

最近の投稿規定事情

ここ数年で数多くの学会誌が著名出版会社の傘下に加入し始めたことは、どなたもがご承知のことかと思います。

その結果

生じているのが、最近の投稿規定事情問題
 
急激なペースで多くの学会誌の投稿規程が改定を余儀なくされてきました。

その中で一番大きく、見落としがちな物のひとつが

Highlights 別名、 Bullet Points

これ等は書籍が電子化されていく中で、効率よく論文を分類化し、的確な読者に的確な情報を提供する為に組み込まれてくるキーワードになってきます。

また過去にKey Wordsを必須としていなかった雑誌が急遽、必須化としてきたり。

Ultra Mini Summaryなどがあったりと

様々な変化が目まぐるしいペースで起きています。

論文を書かれる際は、必ず希望とする投稿先の規程を確認してから最終版を作成されることを強くお奨めします。

部分校閲の危険性について

ご無沙汰致しております。

今日はいっぺんに二つの記事を上げようとおもってます。

Twitter上でつぶやいていたことをまとめただけではありますが。。。。



まず最初に部分校閲の危険性についてここでメモをしておきたいと思います。


別々の著者が自身の専門分野において文章を提出しあうことで論文をまとめる場合、必ず読解力、書き直し力のある著者が最終的な見直しを校閲会社に提出する前にすることがお奨めです。

一番良くあるケースでは、フォントから、改行ルール、言い回し、スペル(米語・英語)、文章が終わるごとに挿入するスペースの数、数値と単位の間にスペースを入れるか入れないか・・色々なスタイルが混在。
校閲会社としてはそのような原稿をお預かりした場合、投稿先として検討しているジャーナルに一番スタイルとして適した方のパーツを元に全体を合わせていくか一番英語のコンディションがよい方のスタイルに合わせ校閲を展開していきます。


しかし、各著者が同じ方向性に向かって自身が担当している部分を書いていないと、情報過多になったり逆に過少になったり、論文の展開に適さない方向性の文書が紛れ込むことも。 

すなわち


一番は筆頭著者が全パーツがそろった時点で、ざっと全体を各人の意見を踏まえつつ纏め上げること。

そして極力、部分校閲という形で大切な初稿(どこにもまだ投稿していない原稿)を依頼しないこと。

もし予算、時間の都合上、制限があるのであれば、唯一の安全策としてはM & M、Figure Legendsなどの校閲を対象外としてもらうこと。

ただし、校閲の際、M & Mおよび Figure Legendsは大切な参考資料となる為、むやみに消して送らないこと。
近年、多数の出版会社のルールが変わり、タイトルページにも色々落とし穴が隠れていることがあるので・・・

当方では校閲対象箇所とはしていませんが、タイトルページの構成も念の為確認をしているのでタイトルページも個人名を削除して頂いても結構なので、投稿直前の形式にしておいていただけると助かります。

また、通常の校閲作業ではReference Listは校閲対象外とはしていますが、投稿規程にあっているか不安な方は、追加オプションで文中においてのReferenceの記載方法、そしてReference Listのスタイルをチェックさせて頂くことが可能です。 

EndNoteのような便利なツールもありますが、各ジャーナルの規定に適合した形式になっているかの確認は、最終的に著者の責任になるので面倒でも必ず投稿先の規程を確認しましょう! 

これである程度、部分校閲の危険性はご理解頂けたかと思います。。。
 
その点、部分翻訳はそこまでの障害はないのですが。

結果的には、やはり別の著者による文書が継ぎ接ぎになることには変わりないので、最終的には全体の校閲をなされることをお奨めします。
 

2011年7月27日水曜日

再投稿期限締め切り延長について

長らくご無沙汰しております。

科研費が七割で支給保留とのこと・・・いままで「Untouchable」とまでいわれ、手を出されずにきていた財源にもこのご時世、手を出さなくてはならないのかもしれませんね。

残りの三割の行方、使い道を説明されなければ研究者・学者としては納得がいかないのでしょうけど。

さて、気が重くなるようなトピックはここまでとして・・・

日本女子サッカーの優勝に続き

世界水泳でやっと近大、イトマン所属の入江選手が銅メダルを勝ち得ましたね♪

この時期はどこのプールに行っても、勘違い族と申しますか、姿だけでも競泳選手になりきった気分の方々がおられるのが面白いです。

水泳は全身をつかうスポーツではありつつも、あまり体に負担も多くないので色々な方が楽しめるという点で、私は大好きです。

自身の方針で激しくもできれば、和むことも出来る、よく出来た有酸素運動だと思っています。

とはいえ、昨今の節電対策の一環で、複数のプール施設が臨時閉鎖、輪番休業、時間休業をしたりと今回の節電騒動は色々なところで余波をだしてくれているものです・・・

さて、前置きが長くなってしまいましたが、

今日のトピックは・・・再投稿期限の延長についてにしてみようかと思います。


今回のような大きな自然災害があった国に対しては、多数の学会が演題申請の締め切り延長、論文再投稿期限の延長など、特例処置がありました。

AHA2011などの場合、日本国内にいる研究者でAHA会員の先生方には演題申請の締め切り延長の通知が届いたとのことでした。

国内にて開催される予定だった学会も急遽開催地が変わったり、延期になったりしていたわけですが、4ヶ月経過した今となっては、実際問題、それ等特別処置もなくなりつつあります。

海外には限られた情報のみ渡っており、震災によって生じた全国規模の研究・実験施設の破損状況や、研究員の配属状況などは知られているわけではないため(もちろん、日本国内でも正確な情報を捉えている方々はいないのではないかと思われますが・・・)、明らかに被災地とわかるような地域でない場合、なかなか追加実験等の進捗状況や日々の作業・業務の進捗状況を配慮している学会、出版社、編集はなくなってきているのが現状かと思われます。

ただ、ここで再投稿期限に間に合わないから諦めるのではなく、間に合わないならどうしたらよいだろうかと考えるのも一つの経験になります。

まず最初に、再投稿期限というものはあくまでも出版会社がある程度の節度をもって設定しておかなければ著者が延々と手元で温め続けてしまい、査読メンバーを抑えておくことが時間の経過と共に難しくなるのが現状です。

雑誌社がREVISEを求めている論文で掲載してみたいと思っている論文に対しては、編集室での査読者スケジュール管理が多少なりと変動可能であれば、数日程度延長許可がおりるケースがあるのをご存知でしょうか?

もちろん、延長申請の常連になってしまうと印象はダウンするばかりにはなりますし、雑誌社が真相では実際のところ掲載するつもりがない論文の場合は新規扱いになってしまうのが常なのですが。

これはどうしても時間をかけて修正をしたい。要求されている追加実験を終えるにはどうしても時間が足りない・・・などといった掲載を検討している雑誌社にとって自身の雑誌に送られてくる論文の完成度、情報の質が読者の興味を引く内容になることが前提であれば、待つに越したことはないと判断、数日、時には1-2週間の延長を許されることがあります。

先日お取り扱いしたケースでは、著者間で行われた話し合いの結果、査読者の要求に対しどこまで応えられるか検討・実施した結果、更なる貴重な情報を得ることができ、それ等を論文に是非とも反映させたい為、納期をなんとか数日延長できないかといったお願い。

別件では査読者の要求に対して応えたいが、現時点では試験農地が使えなくなっている為、過去に採取したサンプルから解析を最初からやり直ししているため、それ等から得られる情報がどこまで使えるものなのかについてしっかり検証する時間が欲しいといったお願い。

単に時間がなかった、複数の別件と重なってしまった、学会で不在にしていたという理由では延長許可はおりることはほとんどなく、依頼原稿でない限り、個人的、時間的理由では延長許可はおりません。

ただし、これ等依頼状を書く際には慎重に物事を進める必要があるので、依頼状は必ず第三者、もしくは校閲会社にチェックしてもらうことをお勧めします。

2011年6月22日水曜日

"and"の疑問をもう1発!

先ほどの"and"の連打対策に続き、もうひとつ"and"にまつわる疑問

正式な文章でも"and/or"って・・・アリ??


アリなんです!


単品、またはそのどちらでも・・・・というくくりになるのでOK

確かにスラッシュを論文の中で用いるのは少し抵抗がありますけどね。。。w


, "and" や"or"を用いられる文章の中で、連続して","が用いられる場合のルールも"and"や”or"の前に”,"がいるのか?いらないのか??

 これも落とし穴のひとつですね。。。


ただ、文章の曖昧さをなくすためには基本

例: Scott, Chris, and I will be studying together tonight. Would you like to join us?

 といったように Chrisの後にコンマを入れます。





このように今日書いたようなことは、誰でもわかっていることなのかもしれませんが・・・  


なんとなく忘れてしまうこともありますし、実は曖昧にしてきたというケースもあるかと思ったのでここにメモしてみました。


ついつい使いたいフレーズ・・・

御無沙汰しております。

今日は何気についつい使いたくなってしまう書き出し文句について書いてみようと思います。

ケースレポートなどを書く際、ついつい使いがちなフレーズの一つに

This paper reports....

といった書き出しを用いられる方は多いかと思います。

どちらかといえばかなり一般的!!

でも、この書き出しにはひとつ大きな問題が潜んでいます・・・






ではここでひとつ自問!

ここであげられている"paper"とは、果たしてなんだろう?

ぶっちゃけた話、"paper"とは論文、症例・・・どの形式をとったとしても”紙に打ち出された言葉”に過ぎない。



すなわち、"紙"には内容を語るべく口も、書き上げるべく手もない




ということは、紙は何もレポートできないという盲点に陥るわけです。




ではいったいどのようにこの書き出しを変えればいいのか?

文章の書き出しを以下のように変えるだけで充分なのです


"In this paper, we report...."

"This paper is a report of our work on...."

確かに”we"であったり"our"を用いることには抵抗があるかもしれませんが、近年はこの方が自然、かつ受け入れられたスタイルなんだそうです。

何とかならないか"and"の連打


さて・・・つい先日ご相談のあった件についてここでお話をしたいと思います。

ご相談事項は:論文を書いているとどうしても"and"の連打になってしまうことがあって、今回の文章に限っては、目に余るぐらい"and”が続いているから何か対策はないかということでした。

"and"のほかに”whereas"なんて使ってみてはどうでしょう?と提案

元文章:Plan A increased expression of X and Y in heart, and Plan B significantly reduced the up-regulation of X, but not that of Y.

改定後:Plan A increased expression of X and Y in heart, whereas Plan B significantly reduced the up-regulation of X, but not that of Y.

"and"の連続使用が避けられただけではなく、読みやすい文章に変わっています。

 







2011年4月19日火曜日

案外気にしていない記号の使い方

今日は以前あるお客様からご相談のあったシンボルの使い方について書いてみようかと思います。


それは≦や≧の使い方!!


一般的に≦= less than or equal to, ≧= greater than or equal to日本のOSでは記載することが可能なものの。。。


英語のOSでは 


≤=less than or equal to, 
≥ = greater than or equal to


としてしか打ち出せない。。。


雑誌の規定によっては≦,≧, ≤, ,<=, >=, ≤+underline, ≥+underlineと様々なルールが存在するので意外と要注意だったりします。


キーポイント!
日本語OS依存の記号を使わなければ文字化けの心配はなくなる。


米国では一般的に≤=less than or equal to, ≥ = greater than or equal toが一番受け入れられている記載方法なので、迷ったときは英字フォントの記号挿入機能を用いて上記記号を使うことをお勧めしています。(MS WORD上では「挿入」→「記号・特殊文字」→フォント設定が(英数字用のフォント)になっていれば文字化けの少ないフォントになります。)

2011年4月5日火曜日

案外知られていないNAIのサービス

タイトルにも書きましたが

NAIのサービスには多くの方に案外知られていないサービスが実は存在します。

そのうちの一つ

口演原稿の読み上げサービス

なんだそれ? と思われた方、多いかと思います。

このサービスは会社設立して5年程経った頃、裏サービスとしてご提供し始めたもので。

目的はすなわち


口演スピーチをNATIVEの研究者に読み上げてもらい


1.発音を練習
2.イントネーションのつけかた
3.間の取り方
4.トーンの上げ下げ

これ等4ポイントを学会当日までに秘密に自分で練習するためのデモ音源を作ること!


このサービスを用いて

専門分野の英文教材として教室で聞かせたい英語文献の読み上げをご依頼された方もおられますし

質疑応答のシュミレーション用音源を作成された方もおられますし

国際学会でのWELCOMEスピーチの練習音源を作られた方もおられます

NATIVEの専門家であるが故に、できるこのサービス

このサービスを利用された方の中で、長年ある専門用語を間違って発音されていたということに気がつかれた方もおられたり・・・

表立って売り出すサービスではないものの、あれば便利なサービスです。

典型的英文の間違え-その1

Guidelines for the use of “a” and “the.” 

The words “a” and “the” are easily mixed.  

The word “a” can be viewed as reference to a general procedure or method. 

Unfortunately “the” can play the same role.  But following some use guidelines can reduce the confusion.


Consider the following phrase:  “We used a finite element approach to solve the problem of flow next to the aircraft surface.”  

The “a” refers to an approach and implies that an application of finite element mathematics was used to solve the problem and “the” refers to the specific (solved) problem of describing flow next to “the” (again specific) surface.  

So generally try to use “a” for a general relation and “the” for a specific relation.

2011年3月23日水曜日

営業時間変更のお知らせ

論文サポートのエヌ・エイ・アイでは引き続き節電に協力をしておりますが、計画停電の区画から外れたこともあり、今週から平常通りの営業となっておりますこと、ご報告致します。

ご連絡が遅くなりましたこと、この場をお借りしてお詫び申し上げます。



営業時間: 09:30 - 18:00  土日祝祭日を除く

2011年3月15日火曜日

【緊急】東北地方太平洋沖地震災害に伴う、営業時間変更のお知らせ【緊急】

東北地方太平洋沖地震による被災者の皆さまに、謹んでお見舞い申し上げます。

輪番停電の可能性を踏まえ、弊社では節電営業を実施することが決定致しました。

3月15日から3月18日につきましては、以下臨時営業時間での運営となりますことご報告致します。

臨時営業時間: 10:00~17:00

また3月19~21日につきましては暦どおり、完全休業とし、一切の業務処理を承ることが出来ない状況になります。

なお、22日以降の営業体制につきましては追って弊社ウェブページ上にてご報告致したく存じます。

お客様一同には大変ご不便・ご迷惑をおかけ致しますが何卒ご理解ご協力のほどお願い致します。


エヌ・エイ・アイ株式会社  

2011年3月2日水曜日

コーディネーターは全作業工程においての仲介人

長らくご無沙汰いたしておりました。

いや、今年に入って散々な目にあっておりまして、なかなかこちらをアップデートすることが出来ないでいました。

年明け早々に新人採用があったり・・・

新型インフルエンザが社内で蔓延したり・・・

当社ウェブページが突然GOOGLE検索で探せなくなってしまったり・・・

論文投稿の全段取りをフォローしないとならない案件に関わったり・・・

産学共同研究の仲介人になってしまったり。

ちょっと一息つけるようになりました。

さて、今回は上記にも出てきた「論文投稿の全段取り」のフォローで見えてきた先生方の苦労について語ってみようと思います。

それは1月末のこと・・・翻訳からスタートした案件はある大手出版会社の雑誌を目指しての論文作成を目指していました。

まず最初に出てきた問題

それは、日本語が英訳されたとき、どの程度のボリュームになるの?
(ちなみに一般的には400文字=230~英単語と言われています。)

そして、投稿規定を熟読するだけの時間がないこと、英語に自信がないということから生じた問題

投稿の条件を充たす為に何をしないといけないのかさっぱりわからない!

そう、はじめて投稿する研究者にとっては突然コピーライトライセンスだったり、ファイナンシャルサポート申告なんて言われたってなんのことだかわからないですよね。

それよりなにより、投稿するためにまず出版会社のサイトに登録をしなくてはいけない、なんてことも!!

それでなくても英語が苦手な人であれば、そのステップを踏まなくてはならないこと事態が苦痛になりますよね。

そんな時の為に、NAIには日本人コーディネーターがいるじゃないですか!!

なんと登録のステップを画像をふくめて説明。

はじめての海外雑誌への投稿の際、貴方の強い味方になれるんです、論文サポートのエヌ・エイ・アイは!!

無事、本文の翻訳も終わり、パーツも取り揃え、いざ、校閲へ!

NATIVEの専門家からバシバシと届く質問と修正・・・

見直すのも一苦労だったことでしょう。

校閲者に説明をしたいがうまく説明できているかわからない・・・不安ですよね。

またまたコーディネーターの活躍の場です

著者はこんなことをしたい、表現したい・・・

校閲でのやり取りの中で、不安に思われた事に関して、コーディネーターが補助的な説明をご用意することもできるのです。

これこそが、投稿経験が豊富な校閲者からの助言

コーディネーターは全作業工程においての仲介人

彼等をうまく使ってこそ、校閲会社をフルに活用することができ、そしてそれこそがまさに「痒いところに手が届く・・・」サービス


校閲会社のコーディネーターをいかにうまく活用するかで大きく貴方の論文ライフが変わるかもしれませんよ。