2012年2月15日水曜日

Peer ReviewのPros & Cons

論文を書き、投稿する人間誰もがぶち当たる壁


編集者・査読者


果たして彼らは何を根拠に選ばれているのだろう?


1.出版会社・各ジャーナルごとに存在する編集長の独断で論文に適していると思われる1~4名の専門家から決める

2.ジャーナルの査読者として登録している研究者の中から適任と思われる研究者などに査読を依頼

3.著者が査読者候補・非候補を指名


いずれも受ける側に査読をするかしないか決める権利がついてまわることには間違いないわけで、査読者がつかない論文は編集長の手元で滞ってしまうこともしばしば。


また、査読者に対しジャーナルは報酬を払っているわけではないので、選ばれた研究者も好き好んで査読者になっていないケースが多いため、査読の期限はあるようでないようなものと考えていることも多く、酷い場合は1年以上ほったらかしといったことにもなりかねない。


実際問題


そもそも査読者自身、ある意味、ライバルであることを忘れてはいけない。


ではここで主なる査読制度のプラス要素をあげてみよう


同分野の研究者(読者)の目線から貴重な意見をもらえる



自身の盲点に気が付く

↓ 

論文内容の更なる改善



掲載された際、読者が参考文献として引用する可能性が上がる





ではマイナス点はなんだろう?


査読者自身が同分野まさに同じような研究をしているライバルの可能性が大


査読者のさじ加減・好き嫌いで採択が決まる可能性は払拭できない


共同研究者、友人等の中で同類の研究で投稿を予定している人を優先する可能性がある


査読者の都合で採択有無についての報告、またコメントをもらえるまでの時間が長引く可能性がある


一番辛いケースは、どのジャーナルに投稿しても同じ査読者に回る可能性がある時


このように、マイナス要素は細かい上に、自身がコントロールできる要素はほぼZEROに等しい。




「WHAT IF」をあげていったらエンドレスであることは確実なのだ。


では何故ジャーナルは査読制度にこだわり続けるのだろうか?


それはもちろん


読者に対し発信していく全情報を第三者である専門家に査定させることで情報の目新しさ、信憑性、質、科学的価値などをコントロールする役割を担ってもらうためだ。


ニッチな専門誌の場合、ポツポツと投稿されてきた論文はまず編集長が閲覧、御眼鏡にかなえば査読にまわるだろう。


しかし


大手出版会社の著名専門誌ともなると一日に投稿されてくる論文だけでもかなりのものだろう。


世界中から祝祭日・朝晩関係なく配信されてくる論文を果たして編集長はすべて読むことが出来るだろうか?


そんなことは不可能だろう。


査読以前の問題はここで何度も話題にしてきたカバーレターと要旨のパワーで乗り切るしかない!


編集長なり副編集長なり、ジャーナル側が興味を示して初めて査読対象の原稿になるというのに、そこに力を注がないのはあまりに無謀ではないだろうか?


査読にまわって初めて論文は戦いの舞台に上がるのだから、準備は万端にしておきたいと思うのが論文をわが子のように考える人たちなのかもしれない。


論文サポートのエヌ・エイ・アイは、編集長としての経験や、査読者としての経験を持った専門家が校閲を提供させて頂くことで少しでも確実に査読ステージに上がれる原稿作りをお手伝いしています。


査読前の原稿はもちろん、査読者を納得させる為のお手伝いもさせていただいております。


当方にて校閲した原稿でなくともサポートは可能です。


お気軽にご相談下さい。

文法系で面白いサイト-2012-0215

コーディネーターが見てなかなか面白いまたは役立ったサイト


典型的な文法の間違い20 

http://litreactor.com/columns/20-common-grammar-mistakes-that-almost-everyone-gets-wrong

2012年2月14日火曜日

今日は簡単なようで、うっかり間違えそうな英語-1

さて、今回は簡単なようで、うっかり間違えそうな英語について過去につぶやいてみたものを再度公開してみました。


1. There are several questions for this manuscript.  〇   × 


答え:× 正しくは

There are several questions about this manuscript


2. The author should demonstrate the reason for the patient numbers of this study.  〇   ×

答え: ×

The author should discuss the methods for the determination of sample size in this study.


3. Each supernatant was sampled at appropriate days after the inoculation,...     〇   ×

答え: ×

Each supernatant was sampled on appropriate days after the inoculation,...


4. After effect or After affect? 

答え:

After effect


5. Glucose concentrations in culture supernatant were determined by induction experiments using the....  〇   ×

答え: 〇  

ついついGlucose concentrations in culture supernatant by induction experiments were determined using...と書いてしまうことがあります。




簡単すぎましたね・・・




皆さんが疑問に思っている、文法についてご質問があればいつでも受け付けますのでお気軽にメッセージをお送り下さい!!


まとまった時点、または対応可能な順番につぶやき、メッセージをお返しします。

簡単な英語で論文を書くのすすめ

ここ10年ぐらいの間に多数の雑誌がOpen Accessになり掲載できる論文の数がアップしたことでジャーナルの質は落ちずに少しだけ掲載までのハードルが低くなってきたジャーナルが出てきていますね。


ほぼ毎日のようにどこかで新しい研究がスタートし、発表されている中


いかにして我々は最新の情報についていけばいいのだろう?って思うこともしばしば・・・


しかし、世の中も便利になったもので


最近では携帯端末のアプリも充実し、雑誌が提供しているアプリをダウンロードしておけば、最新の情報が自らやって来てくれる時代に。


なんて好都合!


でも、その裏には目まぐるしい動きがあるのを忘れてはいけない。


デジタル化された情報をいかにまとめあげ、その情報を求めている人に提供するか。


投稿規定ひとつとっても近年の目まぐるしいデジタル化の影響が色濃く出てきているわけです。


どこまでこのデジタル化が研究者の論文ライフを変えていくのやら。



実際問題



「赤ペン先生」なんて表現はもう通じないだろう。



機械翻訳もあともう少しのところまで来ているというし・・・



もちろん、機械翻訳にはまだまだ得て不得手があり、現実的に使える代物になるのはいつのことになるのやら・・・


ましてや論文やエッセーのように著者の表現や、専門とする内容、細かい説明、日本人の大好きな「微妙」「あいまい」が多い原稿なんて、


まだまだ夢のまた夢なのだ。


どんなにデジタル化が進もうと、論文やエッセーはアナログ時代のように何度も人間が推敲しなければ成り立たない。


字面だけを追って、英語にしたとしても、それは直訳されたに過ぎない。


短い要旨ですらやはり、専門的な視点から推敲をしなければ演題登録できるようなレベルには達さない。


Open Access化しようが、演題登録の枠が広がろうが、そこは半永久的に変わらないのだ。


しかも、一番のハードル、「査読」は絶対に人間しか出来ないという現実はどう頑張っても変わらない!!


だが、その「人間」が現在は問題化してきているのも事実だったり。


生命科学が多種多様化、多分野混合型になって来たことによって、論文を「査読する人間」がいままで以上に多民俗化してしまった。


すなわち


典型的な日本人が好んで使う「格調高く、難しい英語」を使っていてはもう二進も三進も行かない時代がきたということ。


研究者はそれでなくたって多忙




論文をなぜわざわざ複雑に書かなくてはいけない?


キーポイントはたったこれだけのこと。


でも、研究者の性かな・・・


あえて難しく書く→英語が複雑化する→わかりにくくなる→英語に関してクレームがくる→もっと手を加える→悪化する・・・


堂々巡りになってしまうこともざら。


査読者から届く英文コメント自体、校閲者からすれば校閲をしたくなるぐらいなわけで。


酷いときは専門家で、英語の読解力のある人間が読めば一目瞭然の結果内容も、査読者が勝手に誤解し不当な意見を述べられ、掲載への道が絶たれてしまった人もいるのではないだろうか?


簡単な英語で論文を書く


のこと事態、何が難しいのだろう?


それは無理!とおっしゃるあなたはこんなことを実践してみてはいかがだろうか?


1.論文のテーマを決める 


2.必要な情報、論文化すべき情報をリストする (どこまでの情報をその論文で出していくかの選別がとても大切)


3.テーマに対し、ひとつずつ紐付けしていく


4.投稿先を決め、必要なパーツをベースに組み立て方を検討


5.書き始める


6.ドラフト作成に加わっていない第三者にドラフトを読ませる=誤解を呼ぶ箇所や盲点を探せ


7.再度推敲


8.校閲会社に出す または 一発勝負で投稿してしまう


3&4の工程で抜かりが出ると、大変なことになるのでここはしっかり共著と相談


5においては出来る限り短い文章で物事をまとめることを心がけ、わかりやすい表現を用いてざっと一気に書きまとめてみる→1日なり2日なり離れてみる→読んでみる・推敲する→誰かに見てもらう→推敲する


人間時間に限りがあるのでなかなか一気に書き上げるということが出来ない場合、確実につながりのあるセクションごとでとめる、またはパーツごとでというのも有効


今日はイントロを書き上げるべし!今日は集めておいたM&M用情報をまとめるべし!


なぜなら




だらだらと論文を書いていると、その性質が論文にまで出てしまい、




RUN-ON SENTENCESのオンパレードになる傾向があるから!




しかも、思いついた勢いで挿入する変更のほとんどは全体の流れを無視した形での挿入になるので文章スタイル、前後の文章とうまくかみ合わないこともしばしば




勇気をもっていったん論文から完全に離れるということも大切ということです。